マレーシアではすぐやめる?『日本人は「やめる練習」がたりてない』を読んで感じたこと

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読書

こんにちは、ワーママpicaco(@wmpicaco_)です。

小学生のお子さんと共に日本からマレーシアに移住された、野本響子さんの『日本人は「やめる練習」がたりてない』という本を読みました。

一度始めたことを「やめる」という観点から日本とマレーシアとの文化、感覚の大きな違いに着目してそれを題材に書かれた本で、簡単に言うと、「マレーシアではなんでもすぐやめちゃうけどそれでもうまく回ってるよ、日本では一旦始めたらなかなかやめづらくて大変だよね」という内容が深堀して語られています。

私も日本生まれ日本育ちで、日本の感覚でしか考えられない人間なのでこれを読んで「マレーシアってそうなんだ!」と感心したり、「やめる」って全然悪くないな、と思ったり、と刺激を受けました。

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1 マレーシアについて

著者の野本さんは、日本で生まれ育ち、お子さんが小学生の頃にマレーシアに移住したそう。
マレーシアは、仕事や学校が嫌ならすぐ辞める人も多いそうで、この本ではマレーシアのことが「多様性にあふれ、怒る人が少ない寛容なゆるい国」だと書かれていた。

 

この表現を聞くと魅力的な国だな~と思う人も多いのでは?
そんな背景もあってか、日本からマレーシアに移住留学する人が増えているらしい。

 

野本さんはこの本を書かれた時点(2019年)で、マレーシアに移住してもうすぐ7年になるそうだが、「正直いまだにマレーシアと言う国の全貌は見えないまま」だそうで、マレーシアの多様性について次のように言っている。

 

「マレーシアには華人、マレー系、インド系に加えて少数民族の人々やロシア系、中東系、アフリカ系などの外国人も固有の文化を持って暮らしていたりする。またマレー系と一口に行っても、イスラムの戒律を厳格に守る人、モダンムスリムと呼ばれる開放的な考えを持つ人、華人だって福建人、客家人、いろんな人がいる。私が知っているのは本当のマレーシアの1%にも満たない。それほど多様な文化、言語、人種の存在する国なのだ。」

2 失敗について

「マレーシアのあるインターナショナルスクールに行ったら、教師が失敗するのは良いことですと言っていたので驚いた。」という文があった。

 

「失敗するのは良いこと」という考え方は私も持っていて、自分の子どもにも伝えている。また我が子が通う日本の小学校の先生でも、このように教えてくれている先生は実際にいて、嬉しく思ったこともある。ただ、日本全体の雰囲気は確かに、失敗=恥ずかしいこと、良くないこと、となっているように感じる。うちの子供には「失敗は良いことだよ」と言葉で何回も伝えても、間違いを非常に気にして嫌がるし、失敗も恥ずかしがる。

 

本の内容に戻ると、マレーシアのその学校ではスポーツの下手な子に対してヤジることが無いのだそう。嫌いだったスポーツが好きになったと話してくれた日本人の子もいて、子供たちに不完全のままで良いと言ってくれる先生も少なくない、とのこと。
私が感じたのは「失敗してもいい、不完全なままで良い」という本当に思っている人の割合が日本はやはり少ないんだろうなということ。

 

野本さんのお子さんが以前、大好きだったインド人の先生からもらったメッセージが紹介されていて、この内容がとても良かった。
私も自分の子どもに、いつも、こういうことを伝えていきたい。
どうぞ忘れないで。ただ、あなたらしくいてね。
人々にありのままのあなたを見せてね。
不完全で欠点があって、変わっていて、美しい。そしてマジカルなあなたを。
あなたには代わりがいないのです。今のまま、いつもハッピーにしていてね。

3 転校や挑戦のこと

日本と全く違うな、と思って衝撃だったのは、マレーシアでは転居もしないのに子どもが何度も転校することがある、ということ。

「ハッピーじゃないから転校する。それだけ。」という野本さんのマレーシア人の友人のコメントもあった。

 

また、インターナショナルスクールでは、学校によって学年の年齢が異なる。新学期の開始時期もバラバラで、落第や飛び級もある。このことも、辞めたり転校したりしやすいポイントだろうと思う。日本は「みんなと同じ」が重視される文化だから息苦しい…
転校や留年などみんなと違うことをすると少数派になってしまう。「多様性がない」というのも日本が息苦しい理由なんだと思う。

 

さらに、学校を変わらなくても、学校生活では選択の機会が多いとのこと。
スポーツ大会や遠足、ボランティア活動などへの参加も意思表明が必要で、何度も「出ますか?」「出ませんか?」と言う質問が繰り返され、すべてが選択の連続。
クラス代表を決めるときも、「あなたを候補に選びました。受けますか自分で決めてください。」と言われイエスと言うと見習い期間と言う形で仕事をする。そして最終的に、「それをあなたはやるか?やらないか?」また選択を迫られる。

 

この「自分で選ぶ、自分で決める」という経験は主体的に人生を生きていく上でとても重要だと思う。自分が親になり、子供の教育を考えるようになって初めて、私はこのことの重要さに気が付いた。どちらかというと自分は親に決められたことをする、親に誘導されて選択する、という育ちをしてきたように思う。

 

「自分で選ぶ、自分で決める」ことの効果についても本の中で以下のようにわかりやすくまとまっていた。

 

自分でやるかやらないかを決めて、挑戦して、結果を引き寄せる。
その訓練を何度もすると、挑戦することが辛くなくなる
挑戦に慣れてくる上に、自分の適性がわかってくる。
親が決めるのではなく、子供自身が決めるのだから、子供も納得できる。
自分の意見をはっきり言うことが求められるので自分自身の個性と嫌でも向き合わざるを得ない。
みんなと一緒でいいですと言う答えはありえないのだ。

 

この中でも特に「自分の適性がわかってくる」という所、日本では大人になっても適性が良くわからない人が多いように思う。
マレーシアではこんな感じで習い事も気軽に始めるし、やめるのも気軽、だそう。
私も子どもの習いごと、特に辞め時については葛藤があったりするけれど、この本を読んでからは気軽に始めて気軽に辞めるのも別にいいんじゃないかな、と思い始めている。

4 他人に期待しない

「マレーシアの人たちは他人や社会に対して過度な期待をしない。」ということも書かれていた。他人や国に期待をしないから、自分で動き、自分の足で立っている、というのだ。

 

だからこそ、何か上手くいかないときに、「だから言ったでしょ」的に責め立てる人、高見の見物を決め込んでお手並み拝見と言う批評家みたいな態度の人、冷笑的な人が少ない。
すると、人はいろんな挑戦ができるようになる。こういう好循環になっている、というのが野本さんの見立てのようだ。

 

他人に期待しない、ということ自体は国や社会全体の雰囲気に関わらず個人でできることなので、私自身は日本にいてもそういうふうに生きたいなと思う。
ただ全体としてみんなが自立し、挑戦しやすい文化というのは社会全体の話で、日本もそうなるといいのにな、と感じた。

 


読むとマレーシアのゆるい雰囲気が感じられて気持ちが楽になるかもしれません。

何かをやめるかどうか悩んでる方、子どもの教育方針を迷っている方に、おすすめの本です。

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wmpicaco

2人の子どもを育てるアラフォーのワーキングマザー。転職経験なしの会社員。自分が本当にやりたい仕事はなんなのか?を模索しながら暮らしています。 詳しいプロフィールはこちら
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