「ニュータイプの時代」を読んで、子どもの教育にも活かしたい新しい価値観を学んだ

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読書
こんにちは、ワーママpicaco(@wmpicaco_)です。

 

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか」という本でで有名な、山口周さんの「ニュータイプの時代」を読みました。「世界の~」を私はまだ読んでいないのですが、このニュータイプの時代」は自分の考え方をアップデートするだけでなく、子どもたちへの教育的な視点でも「これからの時代はどのような価値観で行きていくべきか」を考える上で参考になる本だったので、そのことをまとめます。
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1 「ニュータイプ」とは?

現在の私達を取り囲む状況は、VUCA化(Volatile 不安定、Uncertain 不確実、Complex 複雑、Ambiguous 曖昧)している。VUCA化の進行は、私達がこれまで良いと考えてきた様々な能力やモノゴトの価値に大きな影響を与え、その3つのポイントは以下のとおり。

 

① 経験の無価値化
② 予測の無価値化
③ 最適化の無価値化

 

これをふまえて、この本では「私たちがこれまで良いと考えてきた能力やモノゴト」を判断基準として行動する人のことをールドタイプ、「VUCA化の進行により新しく大事になる価値観」のもとに行動する人のことをニュータイプ、と呼び整理している。そして、この2つのタイプを対比させながらニュータイプの考え方がなぜ重要になるかが、項目ごとに順番に説明されている。

 

20世紀の後半まではずっと世の中は「問題が過剰で解決策が希少」という時代だった。でもこれまでそこら中に溢れていた問題にはほぼ解決策が出尽くされた今、私たちは、初めて「問題が希少で解決策が過剰」という時代に突入しつつある。結果として問題解決者の価値が低減する一方で、問題発見者の価値が上昇。

 

求人募集で求められるスキルとして「自ら課題を発見し解決できる人」といった内容を見かけるのは、最近に始まったことではないが、これからは「解決」の部分よりも「課題を発見」の部分のほうがより大事になってくるということかと思う。

 

問題解決の世界では、問題を「望ましい状態と現在の状況が一致していない状況 」と定義する。つまり、「ありたい姿を明確に定義できない人は問題を定義することができない」ということ。そこで、本では「ニュータイプは、常に自分なりのあるべき理想像を思い描いている人のこと」と定義。

 

女性は特に出産前後で働き方に悩むことも多く、私もその一人。自分は何がしたいのか?どうなりたいか?という問いは最近でも常に自分の中に持ち続けている。働き方に悩んだことがきっかけではあったけれど、こういった問いを持ち続けることはこれからの時代当たり前に大切なことなのかもしれない。
私は子どもたちにも、「何になりたい?今からなら、なんでもなりたいものになれるよ!」とよく聞く。なりたいものだけではなく、どうあるべきか?、どうしたいか?という理想を問い続けることを子どもたちにも、していかせよう!と思った。

 

読み進めていくと自然に、「自分はこの部分ではニュータイプの考え方ができているけど、こちらの部分ではオールドタイプだな」とか「うちの職場はまだまだオールドタイプな部分だらけだな」などと、自分の周囲にあてはめて考えていくことになり、それがまた面白い。

2「意味がある」ことの重要性

『生産性が向上しているのにもかかわらず、労働時間が減っていない理由として、私達の仕事のかなりの部分が実際には意味のない「クソ仕事」になっている。』
という文脈で出てきた「クソ仕事」という言葉が強烈で印象に残る。

 

人に仕事を頼む時に、「目的」を伝えることは意識しているつもりだけれど、それだけではなく個人がその仕事に「意味」を見出して腹落ちしなければ良いパフォーマンスはでないのだなと、感じることはある。

 

『ヒトの能力は与えられた「意味」によって大きく変わる。
現在の社会ではヒト・モノカネのうち最も重要な資源がヒトのモチベーション
ひたすら目標値とKPIだけに頼って生産性をあげようとするオールドタイプはモチベーションを破壊し、組織のパフォーマンスを低下させる。』

 

本でもこのように書かれていたけれど、私の会社でも期初に部門で「KPI」を決めて、それに向かって業務を進めるというやり方を取っている。しかし、なぜその数字を達成しなければならないのか、数字の根拠も明確ではなく、メンバーがいまいち納得していない様子が伺えて、なんだかなぁという感じ。「なぜこの仕事をするのか、この仕事がどんな価値をもたらすのか」という「意味」を表面的に説明することはできても、個人個人が心から納得しているかと言うと違うのが問題だ。

 

「役に立つ」ビジネスと「意味がある」ビジネスの話もおもしろかった。
「役に立つ」という切り口で売られている商品は、「一番役に立つ」商品だけが売れて、それ以外の商品は競争に負けてしまう。(例えばコンビニに売られている文房具。ハサミやのりは一種類ずつしか置いていない。
でも「意味がある」ことに価値を見いだせている商品は、一度価値を理解されれば、競争に負けることはない。(例えばコンビニに売られているタバコは、スペースを多く占領しながら数多くの種類が扱われている。)そしてグローバル化た進んだことによって、「意味がある」と理解されれば、その顧客の範囲を拡大することも可能なので、これからは「意味のある」ビジネスが強くなる。
「役に立つ」市場は収益率が低下する傾向にある一方、「意味がある」市場は意味の持つプレミアム次第で極めて高い水準の価格設定が可能となる。

 

3 新しいことに取り組む時に

新しい領域ほどルールが未整備な状態になっている。ルールに依存せず、自分の内在的な規範や美意識に基づいてモノゴトを判断していくための成熟した知性が不可欠になっている。

 

この事例として印象に残ったのはグーグルの事例。「邪悪にならない」という社是を掲げるグーグルで、巨大な利益を生む事業に育つ可能性のある国防総省との人工知能に関する共同研究を、従業員からの圧力によって停止したそう。

 

進化のスピードが早く複雑化していく世界において、外在的なルールだけに頼って自分たちの行動を律するのはリスクが大きすぎる。自分の中にある「真・善・美」の基準に照らして自分たちの行動を律していかなければ大きなカタストロフィ(大きな破滅)を回避することはできない。

 

これは始めに出てきた「理想像を描く」ことにもつながっていると思っていて、ルールや前例がないなかでも自分なりの「真・善・美」の基準を持ってそれに従い理想像を描いて、それに向かって行動していける人が強いということ。

4 逃げるが勝ち

これまでは「努力」が良いことだとされることが多かったけれど、努力よりも嫌だったら逃げて自分に合うところに場を移したほうがいいよ、ということも書かれていた。

 

どのような仕事やタスクで内発的モチベーションが湧くのかを把握し、そのような「場」に自分をポジショニングし続けることが重要。

 

いくらリソース面で恵まれた条件にあったとしても、内発的なモチベーションに駆動されているリーダーと、上司からの命令によって駆動されているリーダーとではパフォーマンスに雲泥の差があり、このパフォーマンスの差がリソースのハンディを補って、弱者を勝者に導く』

 

これを読んで思い出した、自分の「逃げた」経験がある。私は会社で何度か部署の異動経験があり、ある時どうしても合わないなと感じる職場にいたことがある。仕事の価値も見いだせない、上司や同僚とも合わなくて、毎日鬱々とした気持ち過ごしていた。転職も考えたけれどもあるきっかけから、また別の部署への希望が通ることになった。明確に「嫌だから逃げよう」と思って行動した。前部署の上司に嫌味も言われたけれど、あのときは自分の「合わないな」という感覚に従って、逃げてよかったと思う。

 

子どもにも、無理して嫌な場所に居続ける必要はないと、伝えようと思っている。それよりも、自分はどんなことをしている時に幸せか?心地よいか?ということがわかっていて、それが満たせる場所に居場所を見つけられる人間になれるといいと思う。

 

また、そのことに関連して以下の文章もよく理解しておきたい。試してみなければ、何が良いかわからないということ。ホリエモンの「多動力」で言われていたのと同じことかな。

 

『自分のコナトゥス(自分らしい自分で居続けようとするエネルギー)を高める「良いモノゴト」は外形的に見定めることはできず、結局は沢山のことを試してみて経験的につかんでいくしかない。
たくさん試して、うまくいったものに身を寄せていくというニュータイプの行動様式を実践するには「やめる」ということもまた必要になる。やめることは一般にネガティブに考えられているが、資源が有限である以上、何かを始めるためにはなにかをやめなければならない。』

 

「逃げる」ことについては以下の文章もちょっと強烈で印象深かった。「逃げる」人が増えていけばクソ仕事が減って世の中が良くなっていく、という話。

 

『個人のモビリティが高まり、どんどん逃げるようになれば、労働市場の流動性が高まり、無意味なクソ仕事は残存できなくなり、傍若無人な振る舞いを繰り返すオールドタイプの権力も維持できなくなる。』

5 経験が不良債権化

貴重で価値があると考えられがちな「経験」も、逆に邪魔になることがある、という話もおもしろい。

 

旅客機の事例を上げていてわかりやすかった。旅客機では、機長が操縦しているときのほうが、副操縦士が操縦しているときよりも事故が起きやすいそう。知らなかった。
これは、どんなに判断力に優れたリーダーでも、たとえ力量が劣ったとしても、仲間と議論しながら行う意思決定のほうが単独で行う意思決定よりも優れたものになることを示唆している。

 

経験者が言っているから、偉い人が言っているから、とそれを鵜呑みにするのではなくて相談しながら意思決定するほうが優れたものになるということは覚えておきたい。

6 ニュータイプはしたたか

結局のところ、以下の文章にもまとまっている通り、ニュータイプは今いる場所にある程度、適用して発言力や影響力を持ちながら、自分の描いた理想の姿に周囲を導いていくことのできる、したたかな人間のことなのかなと捉えた。

 

『オールドタイプが「システムに最適化する」か「システムを全否定してリプレースしようとする」かのどちらかであるのに対し、ニュータイプはシステムに一応は適応してシステム内での発言力、影響力を蓄えながら、システムの持つ課題を見据え、システムを改変するために運動する。』

 


まだまだ、私がきちんと解釈しきれない「ニュータイプの考え方」も多く、人によって響く部分もだいぶ違ってくるのではないかと思います。

子どもに、これからの時代を上手く生きていってほしい!親としてニュータイプの思考を学んでおかなくては!と思った方は、ぜひ読んでみてください。

 

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wmpicaco

2人の子どもを育てるアラフォーのワーキングマザー。転職経験なしの会社員。自分が本当にやりたい仕事はなんなのか?を模索しながら暮らしています。 詳しいプロフィールはこちら
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